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バッチ博士は魔法使いだった(中編)

 

レメディは錬金術で作られた

 レメディについて根本からお話します。

 西洋マジックについて皆さんはあまりなじみが無いと思います。

 バッチ博士の発見は、偶然か必然かは良く分らないし、また西洋マジックを習った形跡は発見されていませんが、この人がやっていることはすべて西洋マジック、魔法なんです。

 魔法の原理について、少し知っていただきましょう。レメディの構造が何であるか分っていただきたい。

 最初見つけた12種類が魂を治す薬になりました。

 人間が生まれて体験する人生の経験を12タイプに分けた考え方、星占いの12宮です。バッチが最初に見つけ、自分が救われた3種類、ミムラス、インパチェンス、クレマチス、それから残り9種類をゆっくりゆっくり見つけていき、この12種類にトゥエルブヒーラズという名前をつけました。12人のヒーラー達です。そしてこの12ヒーラーズが発見された時点で、バッチはレメディが完成したと最初考えました。12ヒーラーズは、後になってわかってくるのですが、実は牡羊座とか牡牛座とか、それぞれ人間の生まれた星座のタイプによってセレクトされる12宮に対応したレメディだったのです。

 インパチェンス、ミムラス、クレマチス、アグリモニー、チコリ、バーベイン、セントーリー、セラトー、スクレランサス、ウォーターバイオレット、ゲンチアナ、ロックローズ。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、植物さんとは何か?エゴを捨てて、集合的無意識だけで生きている生物です。

 ルドルフ・シュタイナーという怪しい人がいるんですが、シュタイナーは衝撃的なことを言っています。

 ―—動物は魂を一緒に肉体に入れた。だから自由に動けるようになった。そのかわり宇宙と切り離され、ミクロコスモスとして閉ざされた。小宇宙として魂をこの肉体にパッケージングすることで他の世界と連結しないで「ひとりでできるよ」を選んだ。だから動き回った。植物は魂を生まれ故郷の星に置いてきた。そして肉体と幽霊の体だけをこの世界に生んだ。だから自分の生まれ故郷の星に向かっていつでも空を眺めている。そうして魂がその惑星の天体にあり、肉体がこの地球上にあるが故に、その星間物質のすべての距離が植物の体である。

 植物は個性を捨てて菩薩となったのです。自らの体を他の存在に捧げることを選び、酸素を供給し、二酸化炭素を合成し、食べられ、奉仕する生活を選んだ生き物たち。完全な無我を選んだのです。そして、個性を捨てて集団の意識として、誰かのために、自分ではなく、何かのために自分を犠牲にして生きている。

 バッチ博士は、選んだ38種の植物は人間の魂よりも進化の段階が進んでいなければいけないとしたんです。なぜなら、そうでないと人間を助けられないから。

 そして、同じことをシュタイナーは言っています。

 —―植物が人間より進化したとき、人より背が高くなる。もしくは群生し、同じ仲間で咲いている。もしくはひとつひとつが人より大きい。人間よりも進化の段階で魂が進んでいない植物はきのことか苔のような地面に生えているもの。

 ですから、人を助けられる治療薬として採用される植物は、成長した時に人より大きくて魂が人よりも進化している菩薩さまだけです。僕は再び、さらに分らなくなったんです。なぜロータスは入らないのだろう。菩提樹は?ローズは?バッチ博士はもう足さなくて良いと言っているんです。

  群生する植物さん達は社会生活を知っているので、我々が対社会に出てきた時のストレスをすべて治してくれるというのです。人間関係で困ったこととか、仕事にかかわるストレスとか、対社会的なストレスを緩和することを学習済みだからです。

 じゃあ、縄文杉はなぜ入らないのか。数百年単位で生きてしまう植物は人のはかなさが分らない。

 「縄文杉さん、お願いしますよ。ぼく彼女がいなくて」

 「そういうのは必要ないよ。空をみてごらん。あと3000年たつと彼女ができるよ」

 「ぼく、100年も無理ですよ」

 「はかない生き物よの〜」(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 縄文杉はこちらが困っていることをリアリティで答えてくれません。だから、バッチが選んだ12ヒーラーズはすべて一年草なんです。1年の間で花が咲き、成長し、種を作り、枯れていく生物で、なおかつ人間の進化のレベルより高く、社会生活を知った、「大人」たちを選んでいるんです。

 そうしますと、世の中に出ている、何百種類も何千種類もあるフラワーエッセンスは少し見劣りします。それはバッチの言う病気を治す治療薬であって、魂の進化は助けてくれません。

 バッチ博士のレメディにはこういうコンセプトが隠れているんです。花を利用するのではなく、花と共に生きていく。そして、人生の先輩としてこの社会環境に適応する方法を他の生物としてリードしている植物の知恵を人間に与えてもらう。

 

 バッチ博士は、最初見つけた12ヒーラーズによって人間が星座の形で魂を置いてきていることに気づいたのです。星占いでは誕生日によって12ヶ月分に分かれていますが、牡羊座から始まり魚座で終わる12個の流れ、12宮はあなたが輪廻転生でこの世界に出てこない時に次の人生でどんな人生を選ぶかを教習所として行く天体のことなんです。

 『チベット死者の書』というおもしろい本があります。この話と西洋占星術の一番古い話をミックスさせるととんでもない話が出てきます。

 人が死ぬと肉体からはなれたエネルギー体が膨張します。3日たつと、そのエネルギ―体は地球から離れて月の周回軌道に接触します。すると、あなたの両親や先に亡くなっている友人達があなたを迎えにくる。そして、もっともっと膨張すると、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、太陽系の惑星に出あったとき、そこで経験するエクササイズがそれぞれ決まっている。そして、なんと、土星から向こう側に拡張して行ったときの大きさ、冥王星まで膨張したとき、人のエネルギ―体の膨張は止まり、次の人生をどうするかを選ぶことになる。

 ここまで膨張するまでの日数が49日。つまり、49日まで祈っている期間というのは、その人の魂が大きく膨張していく物語なんです。

 人間の可能性は、太陽系までが心の内側です。あなたの無意識はあんなに大きい。そして植物はさらに向こうまでいるのです。

 輪廻転生を繰り返し、人間に生まれて悟らないというのは、魂が太陽系から外に出られないということです。

 また次に地球に生まれるとき、「今度、ミュージシャンになりたいな」とか、「学者になろう」とか、好きな12宮のひとつを選び、その星座の性質に合う学習をしに一回そこへ飛んで行く。そして、お父さん、お母さんを決め、学習が終わったとき、太陽の力を使って、あなたが誕生した瞬間の太陽の位置、東の空にあった星、そこから体に入っていく。

 ということが人間のカリキュラムなんだそうです。

 でも、星占いは当たりません。なぜ?

 魂の情報が出ているほど、私たちは進化していないから。

 もしも、あなたが「今日の星占い」で、「これ当たっている」ということがあれば、あなたはこの世の中に出てきた通りの人生を送っている素晴らしい人です。普通は迷っているんです。ミュージシャンになろうと思って12宮で勉強してきたのに、生まれてきて、自分が何のために生まれてきたのか分っていない。ほとんどの人にとって魂の情報なんかいらない。感情と気の体と肉体しかないんです。牡羊ですから。だから、星占いは正確すぎるので普通の人には当たらないのです。あれは魂に書き込まれている情報であって、私たちが魂の情報を必要とするほど高度に進化しないかぎり、輪廻転生の枠組みで決めてきた学習内容は、私たちの実生活に役に立っていない。星占いが当たらないと思う度合いが大きければ大きいほど、あなたの人生は間違っている!

 そして、バッチ博士も、魂の情報は一人ひとり決まっているのだから、その魂の情報をサポートしてくれるレメディが出来たら完璧に助かるはずだと考えて、作ってみて飲ませたら全然効かなかったわけです。

 人は魂の情報など必要ないほど低次元で生きているというわけです。

 

 そして次に12ヒーラーズの後に発見していった7種類がセブンヘルパーズとなります。7人の助け手。

 さて、12たす7は19です。そして面白いことにバッチのレメディは38種類でできています。ここで気づいたのです。僕は西洋魔術をやっていますが、西洋マジシャンは、ものごとの基本の根底にある数秘術、数のマジックを使います。19という数字は10進法の始まりから完成した9番という意味で、すぐピンと来ます。19種類が2種類あるんです。最初の19種類が12ヒーラーズと7ヘルパーズ、この19種類は太陽の光を水に浮かべて作るサン・メソッドの方法で作られます。そして、この後見つかった19種類はボイル・メソッド、煮出して作られます。火にかけた12種類のレメディは樹木が多く、この違いは本にも書いてあります。ぱっと見たときに柔らかい花だから太陽の光であてただけなんだろ、固い枝や芽は煮出したんだろうと単純に素材の性質の堅さで選んでいるんだろうと勘違いしていたんですが、違うんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7ヘルパーズ(ゴース、オーク、ヘザー、ロックウォーター、バイン、オリーブ、ワイルドオート)、これは聖書にかかれている特有な植物です。

 ノアの箱船で世界が水浸しになった後、外を見ていて、鳩がオリーブの枝をくわえて帰ってきます。地球上にまた陸地があらわれていることを知り、その枝を見て癒されるんです。だからオリーブは心身共に疲労困憊し疲れきっている症状、心がだめなときでも体がだめな時でもどちらにも効きます。

 バイン(ブドウ)については、イエス・キリストの血の象徴としてワインが使われます。また、ワイルドオートをカラスムギと読み替えれば、ヨハネによる福音書の「一粒の麦が大地に落ちて死なば、多くの実を結ぶのだ」というようなフレーズでカラスムギが出てきます。つまり、7人の助け手はキリスト教に関係がありそうだなと読めるのです。

 ゴースは火の精霊。オークは地の精霊、フェザーは風の精霊、そしてロックウォーターはもちろん水の精霊。つまりこれは、地水火風という宇宙を構成する四大エネルギーです。ヨハネの黙示録の中では、人間、鷲、牛、ライオンと言われる4つのエネルギーのことなんです。タロットカード21番、「ザ・ワールド」のカードの四隅にこのケモノ達が描かれています。

 世界の四つの要素を集め、キリストによって助けられているようではありませんか。

 バッチがやりたかったのはこの錬金術なんです。

 ホムンクルスと言われる人工生命体があります。中世のマジシャンは試験管から命を作りたかったんです。そして、その時に作った擬似的な生命体をホムンクルスと名づけました。そして自由自在に陰と陽を合成し、鉛から黄金を造りたいというような発想で、錬金術と呼ばれるものが生まれました。この西洋の秘儀はのちにユングなどがこれは心理的な現象ではないか、魂が進化して悟りを開いたことを表しているのではないかと本筋をつきました。黄金を造りたいということだけではなかったのです。

 人工生命体を作るという錬金術のやり方は、四大を集めるんです。

                           世界の四つのエネルギーが均一に集まった時、パーフェクトワールドになります。

                           これが、そのシンボルです。西洋占星術のホロスコープの元の図形で、これが世界を         表します。だから、占星術ではここに星を記述します。これは伝統的には薔薇 十字とも         言います。丸がローズを表し、中の十字架が十字でビーナスのサインです。そしてビー         ナスは幸福の女神で物事の完成をあらわし、世界を表しています。それを記号として西         洋では薔薇十字として暗号のように言うのですが、そのエッセンスは人が悟りを開いたり人工生命体を作りたいということなんです。

 サン・メソッド法では、まず、その場所で生えている花を手に触れずに取らないといけません。金属のハサミで切っても人間が手折っても波動がだめになるそうです。だから樹木で作ったハサミで花を摘み、人の手が全く触れないで、その植物さんが生えているその場所でガラスの器に純粋できれいな清流の水をなみなみと湛え、そこに花を浮かべ、太陽の光のもと2時間照らします。そして、そこに風が吹いている。

 つまり、バッチ博士がレメディで作っていたのは、ホムンクルスなんです。植物を精霊にする儀式をやっていた。これは魔法なんです。人工生命体ホムンクルスを中世のやり方の通りに植物の花を作って四大を合わせた薔薇十字をやっているわけです。つまり、ただの花が精霊と化すんです。

 グレートスピリットにようこそ!

 ひとつひとつの個体を昇華し、天使のような精霊に化す儀式をその場所で行い、パワーアップした作業を行っていたんです。後半見つかった19種類は、火の精霊を強化する炎によってもう一度ボイルし、人工生命体のパワーアップを図る樹木の精霊をホムンクルスにするやり方、ボイルド・メソッドで作られています。

 ですから、バッチ博士は魔法使いであった!ウェールズは魔法使いの場所で、バッチ博士はウェールズ人なんです。

 

 

 

2014年9月18日収録

文責:山崎佐弓

 

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