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金子浩一さんの講演録

金子浩一さん考案の「シフティング」は、シンプルな手法にも関わらず、問題解決や願望実現にきわめて有効で、実用的なスピリチュアリティとして注目されています。意識の枠を外して、過去や未来の自分と対話したり、他人のエネルギーを感じとったりすることによって、トラウマや健康上の問題、ビジネスの課題の解決に役立つだけでなく、スピリチュアルな視点から歴史を捉えなおすなど、多岐にわたる可能性があります。「ホロトロピック・ナイトサイエンス」では、ワークショップを交えてご講演いただきました。お話の一部をご紹介します。

(東京ウィメンズプラザ 2017年5月11日)

 

★金子浩一さん 1960年生まれ。長崎出身。「オフィス気楽」主宰。30年間、シャープで日本語ワープロ「書院」、携帯端末「ザウルス」の通信システム、海外向け電子手帳の商品企画や、海外向けAQUOSウェブサイトなど、ITやブランディングに関わる。それらの実績や経験と、スピリチュアルやヒーリング分野での研究や経験を融合させた、「スピリチュアル・エンジニアリング」というアプローチを開発。新しいソリューションとして提供している。

 

 

 

 

 

 

 

 

―― 多くの人は、人間の意識は「脳」や「ハート」にあると考えます。意識は自分の内側にしかないと考えていると、意識は自分の中でしか働きません。けれど、意識の枠を外して、意識にはもっと広がりがあるとみなすと、さまざまな可能性が広がります。
 私は、意識や認識を変える技術「シフティング」を提唱しています。シフティングには、大きく6つのツールがあります(エリアシフト、タイムシフト、ロールシフト、ペルソナシフト、レベルシフト、ディファインシフト)。意識の枠が外れたらどんな変化が起きるのか、エリアシフトで体験してみましょう。
 二人一組になって、一人はセールスマン、もう一人はお客さんの役になってください。セールスマン役は、お客さんに商品を説明してみてください。・・・次に、セールスマン役は、お客さんがその商品をもって喜んでいるところをイメージしながら話してみます。・・・どんな変化がありましたか。

【ワークショップの感想】
セールスマン役「相手を見ながら話すので、あたたかい感じになる」「最初は商品に意識が向いていたが、人に意識が向くようになった」。お客さん役「熱意を感じた」「何かよさそう、と思った」

 自分と相手の分離感という意識の枠があると、セールスマン役は説得しようとするために仕様や産地などカタログスペックの説明が長くなり、つっこまれたらどうしようと防衛的になります。一方、お客さんの喜びをイメージしながら話すと、分離感がないので説得の必要がなくなり、説明は短くなりますが、お客さんには好印象になります。
 人にものを頼むときは、反発されることを心配しながら語るより、相手は喜んで受けてくれるとイメージして話すほうがスムーズにいきます。これは、クレームを聞くときも同じで、相手の笑顔をイメージしていると、対応は大きく変わります。

 シフティングは「現実に活かせるスピリチュアリティ」です。論理的に説明でき、検証可能で、生活やビジネスに役立てることができます。
 シフティングには、気やエネルギーを使う技法もあります。
日本語には、「気」のつく表現がたくさんあります。気になる、気にする、気を落とす、気が遠くなる、気に入る。昔の人は「気」を精神エネルギーのような
ものと捉えて、具体的に感じていたのでしょう。
 たとえば、武道の極意は「気」を活用しています。合気道では、相手と一体化するイメージをもつことで、相手の体を思うように動かすのです。ここで実演してみましょう。
【実演】
 相手に力いっぱい踏ん張ってもらい、もう一人が力ずくで押す場合。押す人が「相手のエネルギーは、自分が押す方向に喜んで行きたがっている」とイメージしながら押す場合。
 両方を比べると、明らかに違いがあるのが体感できます。

―― 次に、タイムシフトという、時間の枠を外す技法を紹介します。本来、人間の意識には時間の枠がありません。自分で自分にはめている意識の枠を外すなら、未来で知りたいこと、解決したいことを、いま知ることができます。 この技法では、自分が予想する答えが、必ずしも浮かぶわけではありません。
頭で考えず、すらすら出てくる答えを参考にしてください。
 未来の情報を知ることに不都合があるときは、答えが出ないこともありますが、いまの自分に必要な範囲なら、未来の自分の意識がヘルプしてくれます。

―― ロールシフトは、自分の中にある複数の意識を呼びだす技法です。自分の中には、アクセルを踏む自分とブレーキを踏む自分がいて、その整合性がうまくついていないことがあります。そんなとき、二人の自分を呼びだして会話してもらうのです。
 アクセルだけの車にもブレーキしかない車にも乗りたい人はいませんが、人間もそれと同じで、安全装置として二人の自分がいることによって、うまくいくようになっています。そのため、この二人を表に出して、自分の中で話し合うと、解決することがたくさんあるのです。
 ある女性は、女性性の自分と男性性の自分を会話させました。女性性の自分が男性性の自分に文句を言っているのを聞くうちに、「これは私が彼に言っていることと同じだ」と気づいたそうです。このように、周囲の人間関係は、心の中の葛藤を反映しているケースもあるのです。

―― 昔の人は「相手の立場に立って考えなさい」と教えたものですが、実際にだれかの意識に入って、助言をもらうこともできます。仕事上の悩みがある方に、その方が尊敬する本田宗一郎さんの意識につながるようお勧めしたところ、思ってもみなかった解決策がひらめいたそうです。
 この技法を、ペルソナシフトといいます。つながることのできるのは、実在の人物にかぎりません。人間の精神には、潜在意識、顕在意識の他に、超意識(ハイヤーセルフ)と呼ばれる領域があり、ハイヤーセルフにつながって助言をもらうこともできます。また、体調が悪いときに、調子の悪い部位と意識をつなげることもできます。
 この技法は、歴史を読み解くことにも使えます。私は熊野を訪れたとき、ペルソナシフトを使ってチャネリングしたら、ニシキタベという女性の意識とつながりました。神武東征のころの現地の族長ですが、征伐されたというより、神武天皇とは仲のいいイメージが浮かびました。
 興味深いのが、継体天皇をめぐる謎です。継体天皇は北陸出身で、皇族としては血筋が遠いのに天皇になっています。奇妙なことに、継体天皇の前の武烈天皇は、日本書紀に悪逆非道と記されています。日本書紀を編纂させた朝廷が、祖先を悪しざまに書くとは考えにくいため、いまの天皇家をさかのぼると直系の祖先は継体天皇であり、武烈天皇の統治との間に政権交代があった、とする説もあります。
 歴史書に記されていないことは、たくさんあります。たとえば、大和朝廷が成立した頃、関東地方にはすでに大きな政権がありました。彼らは紀元前720年ごろと紀元70年ごろに滅びたユダヤの末裔と関係があるようで、彼らがのちに追いやられた東北地方には、ユダヤ文化の痕跡がいまも微かに残っています。
 秘められた歴史に興味がある方は、歴史書の記述だけでなく、直観的に感じとるものを参考にすると、おもしろい研究ができるのではと思います。

―― シフティングの5つめ、レベルシフトをご説明します。これは、ネガティブクリアリング(気のエネルギーを使って浄化をおこなう技法)や、ポジティブチャージング(理想的なイメージにエネルギーを込める技法)などです。
 過去の出来事は、感情のエネルギーと結びつくことによって「記憶」になります。いやな記憶も、「悲しかった」「悔しかった」というエネルギーがなくなると、ただのイメージに戻るのです。
 ここでは、ネガティブクリアリングを体験していただきます。とてもつらい思い出はエネルギーを抜くのに時間がかかるので、「ちょっといやな思い出」をイメージしてみてください。
 記憶にまつわるエネルギーを消すと、イメージが白っぽくなったり、画像がぎざぎざになって見えなくなったりします。深いレベルまで消えたときは、コンピュータでファイルにアクセスできないときのように、思いだせなくなります。 

 ネガティブクリアリングと対になる技法に、ポジティブチャージングがあります。
 夢や、希望や、ビジョンといったポジティブなイメージは、それだけではエネルギーがありません。理想は掲げるだけでなく、エネルギーを込めることによって実現しやすくなります。理想にエネルギーを込める技法をポジティブチャージングといい、ネガティブクリアリングとペアで使うと効果的です。
 ポジティブチャージングは、ヒーリングにも使えます。元気な姿をイメージして、そこにエネルギーを注ぎ込むのです。意識を変えると、タイムラグはありますが、肉体にも変化が現れます。
 ただし、必要があって病気になっているときもあります。たとえば、自分を守るために病気という形を選んでいるケースでは、病気を消さないほうがいいこともあります。そういうときはハイヤーセルフに問いかけて、ふっと浮かんだ言葉に気づくことで、どのようにするといいか情報を得ることができます。

―― 6つめの技法はディファインシフトです。ディファインとは「定義」という意味です。「犬」という単語は、犬に噛まれた人にとっては「恐怖」のエネルギーが、犬好きな人にとっては「愛情」というエネルギーが結びついています。
 言葉を定義し直して、ネガティブなエネルギーをとり、ポジティブなエネルギーをつけていく技法が、ディファインシフトです。
 たとえば、サラリーマンや主婦にとって、「お金」とは30日のうち1日だけ入って、29日は減っていくもの、というイメージがあります。「30分の29の割合で減っていくもの」と潜在意識が定義していると、お金は「貯めなくてはならないもの」となり、恐怖のエネルギーと結びついてしまいます。
 この定義を変えて、お金は「増えていくもの。楽しいもの」とすると、現実もそのように変わっていきます。

―― 以上、シフティングの6つのツールを説明させていただきました。
 シフティングは一人でもできますが、ワークショップで対話形式にしている理由は、問いかける側のマインド設定で、そのほうが情報を引き出しやすいからです。問いかける側が、相手のハートに黄金の光をイメージして、相手のたましいに語りかけるイメージで問いかけると、答えはふっと出てきます。
 シフティングは、コンピュータのOSのようなものです。私はシフティングじたいを広めたいというより、このコンセプトをさまざまな分野で活用してもらいたいと思っています。人間関係の改善、ビジネスシーンでの活用、健康増進、歴史分野への応用など、意識の枠を外すことでできることはたくさんあります。
 自分の意識が自分を制限している状況は、あたかも「猫と思っているライオン」のようなものです。猫と思っているライオンは、ライオンになりたくてどんなにがんばっても、ライオンになれません。なぜなら、彼はすでにライオンだからです。
 たいせつなのは、自分をしばっている意識の枠を外し、自由になることです。
 地球に争いが絶えない原因の一つは、過去の悲しい思い出が残っていて、そのエネルギーによって引き起こされているのだと思います。不要となった昔のネガティブなエネルギーを消していくと、地球はよくなっていくでしょう。
 私は、地球ぜんたいをイメージして、満月にはネガティブクリアリングを、新月にはポジティブチャージングをおこなっています。一人ひとりが意識の枠を外していくと、もっとすばらしい地球になるはずです。

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