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天外伺朗さんの新春瞑想会

 天外伺朗さんの新春瞑想会が開かれました。毎回楽しみに参加される方の多い
瞑想会で、今回は初歩的な「タントラ瞑想」を中心におこないました。タントラ
瞑想では、参加者は男女交互に輪になり、呼吸やイメージや声をつかいながら全
員でエネルギーを流していきます。この技法はシンプルでありながら、初心者で
も無理なく深いレベルの瞑想に入ることができます。天外さんのお誕生日祝いも
兼ねて、和やかなイベントになりました。(紫山会館/2017年2月2日)

―― (瞑想の準備) まずは肉体レベルを整えましょう。女性は右手を下、男
性は左手を下にして、胸の真ん中に両手を重ねます。その状態から手を上にあげ
ていき、耳を手の平ではさみます。さらに腕を伸ばしたら、息を吐きながら下におろしていきます。数を数えながら行いましょう・・・
 次に、エーテル体を整えます。エーテル体は肉体の3センチくらい外側にあり
ます。皮膚から2センチくらいのところを、頭の上から下に向かって、体には直
接ふれずにそっとなで下ろしていきます・・・
 では、隣の人と手をつなぎます。左手を上向きにして左ひざの上に置き、右手
を右側の人の左の手のひらにそっと乗せます。これで全員、手がつながりました。
 これから声を出す瞑想に入ります。瞑想を止めるときは、私が右側の人の左手
と、左側の人の右手をそっと握りますから、握られた人は手を放して、つぎは自分の左側の人の右手をそっと握ってください。同じことを繰り返します。合図
が輪のすべてに伝搬したら、声を出す瞑想をやめて、ひきつづき静寂の瞑想をお
こないます。

―― (タントラ瞑想) 背筋をのばして、あごを引いてください。軽く目を閉
じて、鼻からゆったり呼吸しましょう。左から吸って、右から吐く。息を吸うと
きに、左隣からエネルギーをいただき、いただいたエネルギーを右隣に伝えてい
きます。吸って、吐いて・・・呼吸を合わせていきます。
 数を数えましょう。「ひー、ふー、みー、よー、いー、むー、なー、やー」・
・・男性は「ひー、ふー、みー、よー」で息を吐き、「いー、むー、なー、やー」で息を吸います。女性は「ひー、ふー、みー、よー」で息を吸い、「いー、むー、なー、やー」で息を吐きます。息を吐きながら声に出して数えましょう・・・
 左の人のエネルギーを意識しながら息を吸い、吐く息とともに右の人を意識し
しながらエネルギーを伝えていきます。エネルギーが人の輪を流れていき、やが
て吸う息とともに自分に戻ってくるのを感じてください。・・・
 吐く息とともにエネルギーが輪を伝わり、自分の正面くらいまで流れていくの
をイメージしましょう。正面まで流れたエネルギーは、こんどは吸う息とともに、左手に流れ込んできます。・・・右手から出すエネルギーを正面くらいまで流したら、吸う息のちからで引っ張り上げて、左手に戻します。エネルギーは一息で、人の輪を一周してきます・・・手が温かくなったり、しびれたりする人もいるかもしれません・・・
 では、声に出す瞑想をしましょう。
 ・・・合掌し、両手をこすり合わせてください。ゆっくりここに戻ってきてく
ださい。座っている座布団、天井、周りの人の様子を思い浮かべましょう。指の
間、手の甲もこすりましょう。・・・両手を膝に置き、目をゆっくり開けてくだ
さい。 (瞑想終了)

―― タントラ瞑想では、すごいエネルギーが人の輪を流れます。ほとんどの人
が、体が温かくなったり、しびれたり、浮遊感があったりしたのではないでしょ
うか。
 男性と女性は電池のプラスマイナスのように、接触することでエネルギーが流
れるようになっています。このエネルギーの流れは、タントラ瞑想のように大勢
の人でおこなうと、顕著に感じることができます。
 日常生活では、男性エネルギー/女性エネルギーを意識することはほとんどあ
りませんが、気功やヨガをしていると、1対1の関係でもエネルギーの交流を感
じられるようになります。ここで実感したエネルギーの流れを、今後のパートナーとの関係に活かしてみてください。

――(参加者とのQ&A)

★ 男性エネルギーと女性エネルギーをパートナーとの関係に活かす方法です  が、主人が疲れていたりイライラしたりするときはどうしたらいいでしょう  か。
【天外さん】ハグがいちばんいいですね。気の回り方としては、男性回りと女性
 回りがあり、気功によって男性回りの気を強めてあげると一時的にエネルギー が増しますが、五分くらいで元の状態に戻ってしまいます。それよりもハグの ほうが長く続きますし、お互いにエネルギーがもらえて元気になります。
  男女がハグするのはいろいろな意味でとてもいいことで、毎日何回かハグ
 すると癌になる確率が減る、という調査があるほどです。天外塾の塾生、高木 聡子さんは「日本ハグ協会」を設立して、ハグの方法48種類を「ハグ48  手」として手ぬぐいにプリントしています。ご主人が元気ないときは、ぜひハ グしてあげてください。

★ 女性と女性のハグ、親子のハグでも、エネルギーの交流はありますか。
【天外さん】同性のハグでも、エネルギー交流はあります。ただ男女だと、特に
 それが強いのです。母と子のハグは、男女のそれよりも強い交流があるかもし れません。
  子どもはもともと母親のおなかの中にいたので、別の人格であっても、意識 はつながっています。よく観察していると、母親が苛立つと、離れたところで 遊んでいる子どもも苛立つような場面があることに気づきます。

★ 男性で気の回り方が女性回り、女性で男性回りという方もいますか。また、
 回り方は生まれつきでしょうか。
【天外さん】 気が女性回りの男性、気が男性回りの女性はいます。性格にも表
 れて、女性回りの男性は優しく、男性回りの女性は猛々しいです。
  気の回り方は生まれつきではなく、環境で変わります。たとえば女性社長は 戦いのモードになっているので、気が男性回りであることが多いです。

★ 気の男性回り/女性回りは、自分で変えることができますか。
【天外さん】 変えられます。たとえば、気の回り方に影響を与える印(いん:
 指の組み方)の結び方があって、両手の親指を合わせて手を回すのですが、左 を上にすると女性回り、その逆にすると男性回りになります。
  男性回りをしている男性が、女性回りの印を結ぶと、気の回りが変わるまで だいたい十秒から十五秒くらいかかり、その間いったん気の流れが止まるの  で、落ちつかない感覚になります。ただし、気功やヨガを実践して男性性と女 性性のバランスがとれ、両性具備の状態になると、印を結ぶだけで瞬時に気の 回りは変わります。
  ぼくの場合は、印を結んですぐ気の回りは変わりますし、意識を向けるだけ でも切り替えられます。瞑想するときは、女性回りのほうが、どちらかという と深いレベルに入りやすいです。

★ 気の男性回り/女性回りは、どのような流れ方をしていますか。
【天外さん】 男性回りは、小周天(上半身の気のめぐり方)の場合、背骨を下
 から上にあがってから体の正面を下りていく回り方であり、女性回りはその逆 です。
  また、上から見て時計回りの方向は男性回りであり、天の気が流れこみま  す。テニスなどしていても、男性回りでエネルギーを入れると瞬間的に少し強 くなります。ただ、すぐに抜けてしまうので、あまり実用的ではありません。

★ 右回りするとエネルギーが入るなら、何かをかきまぜるときなど、右回りに したほうがいいのでしょうか。
【天外さん】 マクロビオティックでは、ゴマをするとき、右回りと左回りで味
 が変わるといいます。ただ、どんな場合でも気を入れるのがいいかというと、 そういうわけではありません。戦いにいくときは気を入れなければなりません が、今日の瞑想会のように、全体的にゆるむ方向がふさわしいときもありま  す。
  右回りにすると天の気が下りてきますが、左回りにすると地の気が湧きあ  がってくるのであり、どちらがいいとか悪いとかいうわけではありません。
  たとえば、撼天柱というシンプルな気功があります。これは、座って両手を 膝に置いた姿勢で、上半身を反時計回りに36回、そして時計回りに36回、 まわしていくものです。後ろにまわすときは、背骨を丸めながら口から息を吸 い、前にまわすときは、背骨をそらしながら鼻から息を吐いていきます。まわ すときは、あごを少し先導させるような感じでおこなうのがポイントです。
  ぼくは最初、背骨を回す動きなら8の字で回せばいいと思いましたが、しば らく試してみて見当外れだったと気づきました。8の字の動きは、骨盤をやわ らかくするには効果的ですが、撼天柱は、右にまわすときに天の気を下ろし、 左にまわすときに地の気を湧きこして、気の柱をつくる気功だったのです。

  撼天柱は簡単な気功なので、ぜひ実践してもらいたいです。なお、撼天柱で は、反時計回り36回を先におこないますが、眠る前や瞑想前は、時計回り3 6回を先におこなうほうがいいでしょう。
  ちなみに、両手を組んだとき、左の親指が上になる人は、主に天から気をと り入れています。地の気をあまりとり入れていなくて、会陰のチャクラが開い ていないケースでは、右の親指を上にして組むと、なんとなく気分が悪くなる ものです。

★ 瞑想は座っておこなうときと椅子に座るときと、違いがありますか。
【天外さん】 瞑想そのものはどちらも変わりません。ただ、椅子の背にもたれ
 ていると、骨盤が横になるので体に負担がかかります。もたれずに骨盤を立て ていられるなら、椅子に座って瞑想しても大丈夫です。
  坐禅の座り方は、長時間その姿勢でいても体が壊れない座り方です。骨盤が 立っていると、瞑想してもつらくなりません。
  瞑想して痛みを感じるのは、骨盤が寝ているからで、無理にその姿勢をとり 続けると体を壊します。また、背骨が「く」の字に曲がっていると、命門とい う、臍の後ろにあるチャクラが閉じてしまうので、好ましくありません。

★ 今回の瞑想で体が熱くなったのは、瞑想そのものに体を熱くする作用がある ということでしょうか。
【天外さん】 タントラ瞑想は、おおぜいでエネルギーを回すので、体が熱くな
 りやすい瞑想です。ほんとうはひとりでも体を熱くする瞑想はできますが、初 心者は深い瞑想に入れないので、体が熱くなるまでは難しいです。
  瞑想には「体が熱くなる瞑想」と「冷たくなる瞑想」があります。ぼくは気 の流れをよくする瞑想を指導しているので、ぼくの瞑想では体が熱くなること がほとんどです。体が冷たくなる瞑想は、代謝を落として呼吸を減らしていく 方向の瞑想です。

―― その他みなさんのご感想(一部)
★ 毎日瞑想していますが、自分ひとりだとなかなか深く入れません。今日はあ
 まり意識しなくても雑念の浮かばない時間を体験できて、心地よかったです。
★ すごくいい変化を期待していたのですが、頭の半分で仕事のことを思いだし
 たりして、あまり深いところには入れませんでした。
★ エネルギーのギフトをもらったみたいに、温かく感じました。
★ 言葉にできない心地よさ、温かさ、ぼうっとした感覚がありました。思考か
 ら離れた空間ができて、リラックスしたように思います。
★ 久しぶりに瞑想会に参加して、頭の中に青空が広がるイメージがよみがえり ました。手のしびれが治まりました。
★ 瞑想を始めて半年になり、頭の中がいかに余計なことに占領されているかに
 気づきました。それをなるべく取り払うのが今年の目標です。
★ こういう瞑想があったことに驚きました。声を出すのは気持ちよかったで  す。静かな瞑想もいいですが、雑念がわきやすく、声を出す瞑想より難しいと 思いました。
★ みなさんと呼吸を合わせていたら、瞑想がしだいに深くゆっくりになってい
 き、腰痛が軽くなりました。
★ このごろ体調が思わしくないときもあるのですが、瞑想して明るい気持ちに
 なりました。
★ 瞑想中に、エネルギーが回っているのを初めて実感しました。
★ 声を出す瞑想が終わって静かになった瞬間、エレベーターに乗ったように、
 自分がふわっと天に上る感覚がありました。危ないかなとも思いましたが、心 地よかったです。
★ 体が熱くなって、人間はエネルギー体なのだと実感しました。男女でエネル
 ギーに特徴があるというのは、奥が深いと思います。瞑想後も和やかな雰囲気 で、楽しかったです。

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