天外伺朗さん 第二回日本医療催眠学会講演録
第二回日本医療催眠学会(平成26年10月12日)での天外伺朗さんの講演を 法人会員でのいらっしゃる萩原優さんのご厚意で、こちらにも掲載の許可を頂きました。感謝申し上げます。後編
質問:どうも天外さん、ありがとうございました。あの、僕ホロトロピックネットワークの会員で、ホロトロピックという言葉は知っているんですけれど、あんまり聞き慣れない言葉なので、ホロトロピックの意味を皆さんにお話しいただければと思います。
天外さん:はい、はい、抜けていましたね。ホロトロピックという言葉は造語でございまして、スタニスラフ・グロフという方が、作った言葉です。グロフはトランスパーソナル心理学を始めた1人ですね。マズローと一緒に、トランスパーソナル心理学という新しいジャンルの心理学を開拓した訳です。グロフと言う人がどういう人かというと、LSDセッションをやっていました。LSDは、最初は精神病の治療薬だったのです。彼はそのLSDを使って、精神病の治療をやっていて、その内にこれは面白いということで、一般の人も巻き込んでLSDセッションをず~っとやりました。結構、神秘体験を起こすわけです。カウンターカルチャーというのは、そのへんから始まっていまして、LSDで人類が覚醒するなんていうことで、一時広がったんです。実際には、神秘体験は起こすけれど、全然、覚醒はしませんで、精神病になったり、犯罪者になったりするもんだから、法律で禁止された。その時に彼は、何とかLSDを使わなくても同じ様な状態に持っていけないかという事を工夫しました。それこそシャーマニズム、世界中のシャーマニズムを調べて、変性意識状態にどうやったらもっていけるか、ということを研究した。で、呼吸法と歓喜的音楽、これは大体アフリカのドラムの強烈な音楽を使って、深い変性意識状態に持っていくことに成功したんですね。
これを経験された方はいらっしゃいます?ブリージング、2名、少ないね。これは凄いですよ。もう、阿鼻叫喚の世界、ギャア~と暴れ出すのもいますしね。だから薬は一切使わないんだけれど、凄い状態になる。そのブレスワークに彼が付けた名前がホロトロピックなのです。ホロトロピック・ブレスワークを呼ばれています。
ホロトロピックというのは、ギリシャ語の「holos(全体)」と「trepein(向かって進む)」を合成して、要するに、全体に向って歩んで行くという意味です。全体というのは、よくワンネスと言いますけれど、宇宙全体に向って歩んで行く。だんだん、自我が薄れて、宇宙に向って溶け込んで行くという意味ですね。ですから、単なる治療のためのブレスワークではなくて、これは仏教でいう「悟り」に向って行く為の方法論、というのが彼のネーミングの動機です。私が病院に代わる施設というものを、何かネーミングをしたいという時に、病院というのはやっぱり「ホスピタリティ」から始まっているので、「H」で始まる言葉を探していて、この言葉がぴったりではないかという事で、この言葉を使わして貰った訳です。
1998年にグロフが日本に来た時に、彼と飯を食いましてね、「お前さんが作ったこの言葉を病院に代わる新しい施設の名称に使わしてくれ、全然違うジャンルだけど・・・」と、お願いしました。彼は、「それはとても名誉なことだ。どうぞ、使って下さい。だけどもね。そんな理想的な施設なんて、とても出来るとは思えない」と結構冷やかに言いました。でも、今、インターネットを見て頂くと、ホロトロピックで出てくるのは、90%はホロトロピックネットワークの話しです。ブレスワークはちょっとしか出てきませんね(笑)。そんな感じですね。はい、ありがとうございましたね。ちょっと抜けていましたね、確かに。
質問、東北大学の市江と申します、元々リハビリテーション科の医師です。催眠療法をこれから習うんですけれども、今の医療現場、特に大学にいますとつくづく感じるのは、唯物論の教育でガチガチになっていて、結局、緩和ケア領域、ホスピスとかそういうところにぜんぶしわ寄せが行っていて、そこのナースたちは唯物論的がために患者さんが亡くなったら全て無に帰すという様なことで、相当心のダメージが大きくてそれを何とかしたいと思って。私はレイキをやるもんですから、誰でも皮膚感覚でエーテル体くらいまではわかります。リハビリテーション科の医者ですので、切断肢とか、完全に麻痺した人たちとかをよく診ていて、切断肢の人は、手、足を切っても、エネルギー体は元の通り残っていて、なおかつ、患者さんの意識で動かせるのです。それから、脳卒中の患者さんで、完全に皮膚感覚が麻痺していて、手足も完全に動かせないような、そのレベルだとエネルギー体だけ動かせる。手・足は動かせないのだけれど、エネルギー体は動かせる。そこらへんまで医療職の人に体験させてあげると、唯物論ではないという、思いがそこに至るんで。
その時に私はいつもこの概念が、シュタイナーのこの概念が、最近、エネルギーワークをしている人たちの概念とちょっとずれているので、自分の見ているものが、エーテル体なのかな、という事と、それから、感覚が遮断されると生きていても肉体からエネルギー体がこう(司会者が質問を短く話すように促す)、すみません。お聞きしたいのは、エネルギーは感覚さえなくなれば肉体から生きていても簡単に抜け出せるのか。
天外さん:抜け出せる?
市江さん:自分で抜け出そうと思っても、感覚があると抜け出せないのですが。
天外さん:気功をなさると先にエーテル体を動かすという、感覚が分かります。あの、太極拳なんかは、先にエーテル体を動かして、後から肉体がついてくるようにしないとうまくいかないんですよね。だから、感覚があっても、肉体とエーテル体はある程度分離してハンドリングすることはできます。でも、これはトレーニングしないとできない。
市江さん:ありがとうございました。
司会者:あとは懇親会で話して下さい。天外さん、どうもありがとうございました【拍手】。