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山川紘矢さんとスピリチュアルなひとときを!

 

 

『アウト・オン・ア・リム』『前世療法』『聖なる予言』など、数々のベストセラー翻訳で知られる山川紘矢さん。パートナーの亜希子さんとともに、日本に精神世界を紹介する大きな役割を果たしてきました。山川さんは東京大学法学部を卒業後、大蔵省入省、世界銀行に勤務するなど、エリート官僚の道を歩んでいました。精神世界に惹かれたのはどんな経緯だったのでしょうか。お話の一部を抜粋します。 

(2015年5月13日 東京ウィメンズプラザ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は40代になるまで無神論者で、精神世界とは無縁でした。「いい大学を卒業し、いいところに就職し、いい家庭をもつことが人生の成功」と考えていて、自分の本当の気持ちに注意を向けることもありませんでした。東京大学法学部から大蔵省に入省すると、外務省に出向になり、海外赴任の前に英会話学校で出会った同窓の亜希子と結婚しました。

 マレーシアに3年間、外交官として、大使館勤務をしました。帰国後、私は人事課に交渉し、奨学金をもらってハワイ大学大学院に留学しました。大蔵省は経済官庁ですが、私の専攻は法律です。外務省出向のため、大蔵省での経済学研修を受けそびれたので、経済学をきちんと学びたいと思ったのです。途中から家内(亜希子さん)も合流し、夫婦で大学生活を送りました。ハワイではよい成績を修め、2年目はシカゴ大学大学院に移って、勉強をつづけました。 

 

 その後、神戸に転勤になり、トーストマスターズクラブ(英語スピーチの練習をする会に参加したことがきっかけで、人生の新しい局面が開かれていきました。クラブの仲間に「おもしろいセミナーを受けないか」と誘われて、英語の勉強のつもりで参加したのが、「セルフアウェアネス(気づき)のセミナー」だったのです。

 講師は元弁護士という若いアメリカ人で、4日間、「あなたは何のために生まれてきたのか」「あなたはなぜその仕事をしているのか」などのやりとりが続きました。何のことかさっぱりわからず、ぼくは公務員なのに場違いなところに来た、と感じました。

 けれど、その経験を通して「自分自身を知ることが大切だ」と気づき、そのようなテーマの本を読むようになったのです。

 家内はすっかり変わった私を見て、私が新興宗教にはまったと悩んだようです。離婚の話も出ましたが、離婚する前にやっとのことでセミナーを受けてもらうと、家内はセミナーの途中で逃げ出しました。私が迎えに行くと、家内は泣くだけ泣くと、今まで押さえ込んでいた不満をすべて口にだしてしまうと、そこからスコンと抜けてしまったようです。自分から「戻りたい」と言い、神戸にもどるとセミナーを修了しました。

 私は「自分自身を知ること」に取りくむようになって、自分の問題点がだんだんわかってきました。私は結婚していても、相手がなぜ傷ついたり怒ったりするのか、よくわかっていませんでした。根本的な問題がわからないまま感情に翻弄されながら、表面上は夫婦というかたちを続けている人は多いのではないでしょうか。まずは自分自身を知らなければならないと、やっと気づきました。

 

 そのあとすぐ、私はアメリカに転勤になりました。ワシントンDCの世界銀行で、日本政府の代表として理事代理を務めました。国際機関で働くのはとても自分の性格に合っていたようで、3年間の仕事はとてもおもしろかったです。

 ワシントン駐在の3年間、ゲーム、ディスカッション、ダンスをとり入れたセミナーを受けながら、英語のスキルも磨いていきました。そのとき知ったのが、当時ベストセラーになっていた、ハリウッド女優シャーリー・マクレーンの自伝『アウト・オン・ア・リム』だったのです。読んでみると、テーマが輪廻転生で、そんなことは信じられない自分は「まさかそんなことはあるものか」と思いました。

 ただ、シャーリーが霊媒に質問するシーンで、精霊が「一番大切なことは、自分自身を知ることだ」と語っていることに、興味を引かれました。この本には本当のことが書いてある。翻訳して日本人に紹介したいと思いました。

 

 それから、さまざまな出合いが続きました。出版を後押ししてくれた人のひとりが、上智大学の先生で、『アクエリアン革命』の翻訳者でした。『アクエリアン革命』は、21世紀からの2000年は「水瓶座の時代」と呼ばれ、時代を変えていく人々があらわれ、あらゆる分野で協力しあって、変革を実現していく、という内容でした。

 私は自分のことが書かれていると感じました。次に受けたのが、いわゆるスピリチュアルなセミナーだったのです。そのセミナーでは、「輪廻転生はまったくあたりまえで当然の事実である。人は使命があって生まれてくる。人類はいずれ目覚めて、戦争はつまらないと気づいてゆく」という話などを聞きました。

 『アウト・オン・ア・リム』の翻訳が終わって日本に帰る直前、友人に精霊が下りてきました。精霊はセント・ジャーメイン(サン・ジェルマン伯爵)と名乗り、「私たちは、生まれたときからあなたを知っている。アメリカに転勤になったのは、私たちがそのように仕掛けたのだ。あなたがその本を訳したのは、私たちが訳させたのだ」と語りました。

 紆余曲折はありましたが、『アウト・オン・ア・リム』が1986年に出版されると、瀬戸内寂聴先生の書評や、公務員の翻訳書としては異色だと話題になり、多くの読者を得ました。

 

 そのころ、私は精霊にこう頼まれました。「私たちは人の意識を変えるため、向こう側の世界から一生懸命がんばっている。私たちの仕事を手伝ってほしい」。精霊は「断ってもいいですよ」と言いましたが、私はすっかり舞い上がり、「引き受けます」と答えてしまいました。

 ただ、それからが大変でした。家内にはチャネリングが始まりました。きっかけは、アメリカの霊媒に「サンジェルマン伯爵の最後の転生はアインシュタインだったので、原爆を投下された日本には自分はカルマがある。来日する必要があるから、日本によんでほしい」と頼まれたことでした。

 結局、家内がお世話したのですが、霊媒には難しい同行者もいて、まるでオカルトに巻きこまれたように、さまざまな出来事が続きました。そして家内は霊媒の通訳をするうち、本人も精霊をチャネリングするようになったのです。

 私はというと、ひどい喘息になりました。精霊は家内を通して「医者に行くな。薬はのむな。水をのめ」「肉も魚も食べてはいけない」などのメッセージを送ってきました。

 喘息はほんとうにつらく、ひとたび発作が起きると30時間以上も苦しむほどで、私は大蔵省を退職せざるをえませんでした。仕事をやめ、精霊が見つけてくれた郊外の家に引っ越しても、喘息はおさまりませんでした。三年間、私は家の外に一歩も出られない状態で、骨と皮になるまでやせ細りました。

 

 そんな中、私たちはさまざまなことを精霊から学びました。家内に下りた精霊は、はじめはサンジェルマン伯爵だったのですが、ある日「すべて教えたので、もう他の人のところに行きます」と言って、去っていきました。

 翌朝あらわれたのは、聖フランチェスコでした。当時、家内のもとには、前世を見てほしいという人が集まるようになっていました。不思議なことに、みんな聖フランチェスコ時代にアッシージにいたことが判明したので、アッシージへのツアーも何回か行いました。

 その時期が終わってからは、イエスがあらわれました。メッセージのさいごに、「愛しています、イエスより」と出てくるのです。私たちはクリスチャンでないのにと、とても戸惑いました。

 ある日、精霊は私に「あなたは愛を知らない。今夜、愛を教えよう」と言いました。半信半疑でしたが、翌日の明け方、私はまどろみの変性意識状態の中で、地球を外から眺めているビジョンを見ていました。

 地球はほんとうに美しく、そして私は気づきました。――地球は宇宙に浮いているが、それは愛の中に浮かんでいるのだ。宇宙そのものが愛なのだ、と。地球の上で暮らす私たちは、すなわち愛の中に生きているのです。そのことに気付いた時、涙がどっとあふれました。

 すべてが愛であり、宇宙そのもの、神そのものが愛なのです。宇宙は神であり、愛のエネルギーからできている、私たちも愛からできている。一人ひとりが、愛という同じものからできている。全ては愛だ、ワンネスなのだ、と。

 

 チャネリングは、本来だれにでもできることです。天使がいると思う人は、天使がいる証拠を見つけるし、いないと思う人は、いない証拠を見つけます。これは、神についても同じことです。人は、自分が思った通りの人になるのです。人は自分が思った通りの人生になります。自分を素晴らしい存在だと思うことが大切です。

 人生には、必要なことが起こります。「いやだな」と感じる出来事も、自分のたましいが引き寄せているのです。「いい」「悪い」というのは、脳の判断にすぎません。一匹の昆虫の中にも一輪の花の中にも宇宙を見ることが出来ます。そう見られるようになると、人生が深くなります。

 本当は、神も天使も先祖も、みんな「いまここ」にいて私たちを助けてくれているのです。ですから、ある程度スピリチュアルなことをマスターすると、神や天使や先祖にアクセスできるようになって、円滑状況に入ったように人生がスムーズになります。どんなことが起ころうと大丈夫で恐れなくなります。

 

 輪廻転生はある、と私は思います。どんな人にも、生まれてきた目的があります。

 私の場合は、愛と平和を広げるために働いています。けれど、実は、だれもがみんなそうなのでしょう。大切なのは、ありのままの自分を生きること、幸せになることです。

 軍備拡張とか、国債の大量発行とか、大変な時代になりました。2016年には大きな変化が起きるでしょう。それが直下型地震か、経済破綻かはわかりませんが、この世におこることに偶然はありません。

 地球は劇場、人間は役者であり、人生とはお芝居のようなものです。起きることは起きるべきことであり、何があっても、不満ではなく感謝に目を向けるようにすると、幸せに生きられるでしょう。

 私たちは、世界に平和をもたらすことを、考えなくてはなりません。それには、まず一人ひとりが自分を知ること。一人でも多くの人が覚醒すれば、世の中は変わっていくと思います。

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