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中楗次さんの気功セミナー

中楗次郎さんには、さまざまな気功法を実践でご指導いただきながら、癒しの本質についてご講義いただきました。肉体と心を気功で調えていくことで難病や持病が治癒した人の体験や、対人関係が改善したエピソードなども語られました。中楗次郎さんが世界各地で出会った、気功の達人や霊的な先生方についてのお話もありました。一部をご紹介します。

 

 

 

 

 

 

―― 中国ではすばらしい気功の先生方に出会いました。80、90代になっても体は老いず、心は愉快で、頭も冴えている先生はたくさんいます。ある先生は100歳を過ぎて死期を悟ったとき、「これから肉体を離れるからその前に質問しなさい」と言い、人々の問いに答えた後、すっと亡くなりました。銀紙を丸めて手のひらに乗せ、そこに邪気を集めて念力で燃やす先生や、山寺に住み、山の向こうまで飛んでいくという先生もおられました。

 マザーテレサにもお会いしました。聞くところによると、マザーは、路上で倒れた人の傷口の蛆を素手でとっていたとき、「シスターたちは医者を呼んでピンセットで蛆をつまむのにあなたはなぜ素手で?」と尋ねられ、「シスターたちをゆるしてくださいね。彼女たちはまだ愛そのものになっていないの。いまは愛する勉強をしているの」と答えたそうです。愛そのものの人と、愛そのものになろうとしている人の違いなのでしょう。

 

 去年はフロリダに行き、サイマーさんにお会いしました。サイマーさんはダルシャンの時、代々聖者方に受け継がれているクジャクの羽根で、私の胸にちょんと触れてくれました。そのとたん、この世のものと思えないエネルギーが流れこみました。触れられた先が膨張した感じで痛みが走り、こらえきれず喚くように号泣しました。それは何日も続き、帰国後もしばらく寝込んでいました。

 気や神経系のレベルではなく、もっと深いレベルで、奥底の意識に働きかけられたようでした。何千回も生まれ変わる中で、「今生も真実がわからなかった」

「神も仏もない」と苦しみながら死んできたのを感じました。それは、神聖なるもの、内なる仏性、宇宙に充ちている叡智に対する疑いが、内側から引きずり出される感覚でした。

 体調が回復してからは楽になり、外からの影響を受けなくなりました。人間的な情の部分で悩んだり苦しんだりしていたのが、すっと消えました。とても痛かったけれど、ハートを開くとはこういうことか、と実感しました。

 癒しにはさまざまなレベルがあります。肉体のレベル、気のレベル、神経系統のレベルを変えていく癒しがあり、もっと深いところには霊的な癒しがあります。それは、魂と結びついているところを解放して、ほんとうの自分に還っていくことです。

 サイマーさんは、目に見えない内なる世界を変えるだけでなく、肉体を変え、神経系統をすべて変えて、純粋なエネルギー、光にしていくことを説いています。それが真のアセンションだと。肉体を大切にしながら意識も変え、最終的には純粋意識に還っていくことは、気功の目的とも共通します。

 どのレベルの癒しも、すべてつながっています。肉体から入って心を変え、心から入って肉体を変えながら、その両方を高めて、自分の中で成熟させていくことが大切です。それこそが気功で言うところの「性命双修」です。

 

 アニータ・ムアジャーニさんという、臨死体験から悟りを開いた方がいます。がんが全身に転移し、内臓機能不全でこん睡状態に陥り、あと数時間の命と宣告されたとき、アニータさんの意識は体から抜けて膨張していきました。そこはすべてが一つで、時間も空間もなく、無条件の愛、喜び、自由しかありませんでした。お兄さんが気になったとたん、お見舞いに来つつあるお兄さんの様子も気持ちもわかり、病室の外でお医者さんがご主人に話している内容やそのドクターの名前までわかったといいます。

 アニータさんは香港のインド人社会で育ち、お父さんが決めた結婚を嫌って逃げ出した過去がありました。けれど臨死体験の中で、お父さんに心から愛されていたこと、結婚を強いたのはひどかったけれど、お父さんの価値観では精一杯の愛情であったことに気づいて、亡きお父さんとの葛藤が消えたそうです。

 また、病気で弱っていく友人を見るのがつらくて、最期に会えなかった申し訳なさを思ったとたん、その友人がすべてを理解し、すべてゆるして包みこんでいるのを感じて、心が救われましたとも仰っていました。

 臨死体験は心地よかったのですが、お父さんから「いまの目覚めの状態で戻ったら、神さまからギフトを与えられるよ」と言われて、体に戻ると決めたとき、アニータさん 一つは、怖れから生きていたこと。こうなったら嫌だからこうしよう、たとえば、病気になるのは嫌だから自然食品を食べようという発想は、怖れから決めていたのです。そうではなく、ものごとは喜びから選ぶことが大切なのです。

 もう一つは、自分を愛していなかったこと。つねに人に気を遣い、こうしたら喜んでもらえるかも、こうしたら嫌われるかもと、仮面をかぶって生きていた自分に気づきました。

 怖れから生きない。自分を愛そう。――そう決めて肉体に戻る直前、アニータさんは治癒を確信し、多くの人の前で講演している姿をビジョンで見ました。そして、こん睡から覚めて数日のうちに、癌の70%が消えたのです。ほどなく、全身に転移していた癌細胞はすべて消えました。

 いま、アニータさんは世界各地で講演し、著書『喜びから人生を生きる』はベストセラーになりました。アニータさんの体験は、覚者のそれと同じです。肉体に戻ってからは、一瞬ですべてわかることは失くなったそうですが、死に対する恐怖心はないといいます。

 アニータさんが感じたことが、私たちの本質です。そこに戻り、それを思い出すことが、ほんとうの癒しです。アニータさんは、さまざまな気づきがあったために、癌になったことを心からよかった、と語っています。

 

 

 

 

 

 

すべては完璧です。それは、たとえば家族に問題があるとか、病気で痛むところがあるとかいう、いまの状況が完璧だという意味ではありません。そうではなくて、「私たちが本質に戻るために、完璧なことが起きている」という意味です。

 私たちは、いつも導かれ、愛されています。ほんとうの自分に戻るために、神の愛、宇宙の叡智が、あの手この手で私たちを導いていることに気づいたら、過去のすべてに感謝できるようになるでしょう。

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