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日本列島祈りの旅「北海道日高地方のアイヌの聖地を巡るツアー」

日本列島祈りの旅「北海道日高地方のアイヌの聖地を巡るツアー」 
(天外さんのフェイスブックより抜粋) 

 2014年5月に剣山の頂上で行ったパイプセレモニーで啓示を受け、2016年から「封印されたアイヌの怨念の鎮魂の旅」をスタートする、と宣言した。そして、5月28,29,30日の三日間、アイヌの女性長老のアシリ・レラさんと真言宗の僧侶、口羽和尚を中心に日本中から50名弱のメンバーが北海道に集まった。
 初日は、300人以上のアイヌが虐殺されたという岩内での儀式。幽霊が出ると地元の人は誰も近づかない場所だ(二風谷の近く)。滝があり清浄な小川が流れ、とても美しい景色。ところがやはり気配はとても重苦しい。昔、日本の僧侶が建ててくれたという小さな祠があり、その前でアシリ・レラさんと口羽和尚と天外伺朗が儀式を行った。


 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に川向うに待機していた全員と般若心経。空気が見違えるように軽くなり、滝の上の川面が不思議にキラキラと輝いた。レラさんは泣いておられた。小川を渡ってみんなのもとに行き、「とてもうまくいったよ」と報告。とたんに雲もないのに青空から細かい雨が降ってきた。レラさんは「ああ、喜びの涙だ・・・」 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何の気なしに空を撮った参加者のカメラには、黒雲を従えて登っていく天女のような姿が映っていた。天女か観音様か、ボディが次第に虹色に輝いてきた。 
連続写真(天外さんのファイスブック参照)を見ると、ボディが光と虹を交互に繰り返しているのがわかる。ルルドに現れたというマリア像にも匹敵するかもしれない。 

二日目
 和人の攻撃を事前に知らせてアイヌを救った和人の鷹匠、越後庄太夫が、見せしめのために生きたまま焼き殺されたという崖の上で儀式。アシリ・レラさんの祈りと口羽和尚の施餓鬼供養の間に、天外伺朗のパイプセレモニーを行った。手前がレラさん、隣がアイヌの衣装をまとった天外伺朗、その向こうが口羽和尚。全体の配置はインディアンの儀式の様式でやらせていただいた。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アイヌの英雄シャクシャインと越後庄太夫は仲が良く、シャクシャインが和平をすると騙されて毒殺された時も現場にいたという。越後庄太夫がその食べ物は食べてはいけないと必死に目で合図を送ったが、駄目だったという。その場所もこの近くだったので、あわせて供養。
 越後庄太夫は、パイプセレモニーの最中に上がった模様。シャクシャインは、パイプセレモニーの最中に来て、口羽和尚の目の前に座ったという(後から、首のない姿だったと聞いた)。そしてレラさんに、私の祈りの言葉がわからない、と訴えた。たぶんインディアン流の抽象的な言葉の使い方なので何を言っているのかわからなかったのかもしれない。パイプセレモニーを中断して、レラさんがしばらくの間、アイヌ語で語りかけるように説明した。シャクシャインは納得して越後庄太夫の後を追った、とレラさん。目に見えているこの世界の裏側で、私には見えない厳粛なドラマが進行していたようだ。私はただ、パイプを持って祈るだけ。
 シャクシャインが、なぜ口羽和尚の前に座ったか、後で判明。口羽和尚はアイヌにも手伝ってもらって、島根県の川に鮭が俎上するための運動を続けており、その関係で20年にわたってシャクシャインを供養してきたというのだ。一同納得。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 続いて、越後庄太夫の遺体が投げ捨てられたという、崖の下の海辺の洞窟で儀式。ここもよく幽霊が出るということだったが、とても強いエネルギーで体がびりびりしびれたが、霊のエネルギーというよりは聖なるエネルギーのように私には感じられた。あるいは、崖の上の祈りが効いたせいかもしれない。 

 越後庄太夫は、助けに来ようとしているアイヌたちに、炎の中から「逃げろ、命をおしめ」とアイヌ語で叫び、「私は死なない。ここでアイヌを守る。私が死ぬときは、太陽の周りを虹が取り巻き、鷹が舞うであろう」と叫んで息が絶えたという。私たちはその話を前夜に聞いていた。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 崖下での儀式が終わってシャクシャインの銅像へドライブした時、太陽のまわりに環状の虹が出た。その中を鷹がしばらくの間、舞った!!! 

 シャクシャインの銅像の前で記念撮影。シャクシャイン記念館のシャクシャインに関する説明は、アイヌにとっては耐えがたいほど不本意な内容。歴史は常に戦争や政争に勝ったものが、自分に都合のよいように書き換える。負けた勢力の歴史は人知れず口承で伝えられるが、こちらも恨みつらみで歪んでゆく。世界中どこを探しても「正しい歴史」などは存在しない。事実を追うより、苦しんでいる霊の想いを引き受け、供養し、争いや戦いの少ない社会を建設することの方が大切な気がする。 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回は、アイヌの祈り、インディアンのパイプセレモニー、真言密教の施餓鬼供養や読経、アボリジニのディジュリドゥなど、ごった煮の祈りの旅。私のインディアンの師匠は白人とインディアンの混血のためどちらの社会からも拒絶された体験を持っていた。パイプを授かるとき、「世界中のスピリチュアルな儀式を融合させてください」といわれた。
・・・お師匠様。ちゃんとやっていますよ・・・ 

  5月29日の祈りの儀式は、私にとっては74年余の人生最大のハイライトになった。
 シャクシャインの銅像の前で、太陽に環状の虹がかかり鷹が飛んだシーンは、私の生涯の中でも、最も神聖で美しい体験だった。 
アシリ・レラさん、口羽和尚、ご参加いただいたすべての皆さんに深謝する。 

 日本中いたるところで、このように過去の怨念が渦巻いており、それを開放するというワークを2014年の剣山頂のパイプセレモニーで啓示を受けて実行している。ただし、私やアシリ・レラさんが命があるうちに完了するとは思えず、後を継ぐ人たちが出てきて欲しい。
 そのためにこのワークを語り継ぐための記録を残すことにした。ひとつは悟東あすかさんの漫画、もうひとつは吉岡監督による記録映画。 

越後庄太夫とシャクシャインの供養を共に執り行った口羽和尚の強い要請で、彼の延命寺でパイプセレモニーを行うことになり10月に8,9,10日の三連休に出雲ツアーが決まった。口羽和尚といえば、虚空蔵菩薩求聞持法を成就された大僧正であり、祈りのプロ中のプロ。その口羽和尚から祈りの依頼が来るとは、何とも名誉な話だ。
 こういう具合に「日本列島祈りの旅」は次々に展開していく。

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